自己紹介

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2010月1月に設立されたスンダランド・アート・ネットはアートによるアジアの国々での国際交流をめざしています。


 バギオの映像作家を育てようというAy Apo! Film Festivalがバギオ市で開催される。フェスティバル・ディレクターを務めるのは、マラヤ・コンポレドンド。フィリピン大学デリマン校映画コースを卒業したばかりでありながら、昨年の12th Cinemanila International Film Festival でヤングシネマ・ドキュメンタリー部門において、故郷サマールの宗教をテーマとした「 Ang Panagtagpo ng Akong mga Apohan」で見事、イスマール・ベルナール賞Ishmael Bernal Award を受賞した若き映像作家だ。
 自主製作映画のコンペ以外にも、フィリピンの地方で作られた自主映像の映像上映が数多く予定されており、スンダランド・アートネットの廣田緑がバギオ市と山岳地方の小さな村で行った環境アートプロジェクトのドキュメンタリー「Where have all the monkeys gone?(サルはどこに行った?)」(Mabel Batong監督 Cordillera Green Network制作)も12月4日4PMから招待上映される。日本、インドネシア、アメリカのアーティストが、森林破壊の進む「サル」という名の山岳地方の村で、子供たちと一緒にサルのお面を作り、野焼きしたコミュニティ・アート・プロジェクト。

 
 また、すでに制作しているがもっと技術を高めたいという人のための講座「Master Calsses」も企画されている。講師には、フィリピンでは名の知られている映像関係者たち。

会場はセッションロードのLa Azoteaビル(Porta Vagaビルの向かい。KFCのちょっと下)5階のコミュニティアートスペース「VOCAS」と4階の特設会場。入場はすべて無料!

詳細はFacebookで!https://www.facebook.com/groups/189300541146332/

ベンカブ美術館コンニャクアート展オープニング



先日お伝えした、志村朝夫さんコーディネイトによるベンカブ美術館でのミニ・コンニャクアート展のオープニングの様子です。ほかの二つの展覧会も同じ日にオープニングで、マニラからのゲストもたくさんいてたいへん盛況でした。生かす村さんからのニュースレターと、送っていただいた写真の一部です。

Mini-Exhibition 2011 of Kon’nyaku Art opened on November 5, 2011 at BenCab Museum, Metro Baguio, Philippines. It lasts until January 5, 2012.

28 artists and 30 pieces kon’nyaku art works are displayed on 6 marine plywood painted in black color. Here are some opening pictures. There are two more exhibitions of painting and ceramics at BenCab Museum.




バギオ在のアーティストも勢揃い!真ん中はコンニャクアート展参加作家のひとり、レオナルド・アギナルド。




触って楽しむ蒔絵コンニャクアートは、Jou Cobcoboの作品です。

アーツ・アポリア中西美穂さんのトークat UPバギオ


 大阪のアートNPO法人「アーツアポリア」の中西美穂さんが、文化庁の研修制度でフィリピンに調査のため滞在中。マ二ラでは社会派の現代美術家・アルマ・キントさんのスタジオに滞在し、先週オープニングを迎えたYuchengco Museumでの「Nothing to declare」展にも参加したそうです。

 バギオのアーティスト、山の村の先住民の暮らし、日比のアート交流などの調査と、バギオの涼しい空気を楽しみに来バギオです。アーティストと社会の橋渡し役の仕事をしていらっしゃる中西さんに、ぜひ、フィリピンでもその活動や、日本で社会と関わるアート活動をする作家の紹介をしていただきたいと思い、フィリピン大学バギオ校でトークを行うことになりました。
 Fine Arts,Humanityの学生さんが参加してくれることになっていますが、一般の方の参加も歓迎です。

日時:12月1日(木) 3;30PM
会場:フィリピン大学バギオ校 Collage of Arts and Communication Building Room 103-104


アポリアというのは、ギリシャ語で「答えのない難問」のことだそうです。深いなあ。


中西さんを紹介した大阪ブランド情報局のページ
http://osaka21-blog.cocolog-nifty.com/person/057/index.html

こちらマニラで開催中のNothing to declare展のポスター

ユンチェンコ美術館では1月29日まで開催。UPデリマンのVargas Museumでも別の作家による展示が行われています。すでに終わってしまったマンダルヨンのBLANC CONPOUNDでの展覧会も含め、世界中から60名近い現代美術家が参加しているこの展覧会。私も、年末年始の帰国前後にぜひ行ってみたいと思っています。

バギオ、ベンカブ美術館でコンニャク・アート展開催


 コンニャク・アート?
 コンニャク好きの日本人でさえ聞いたことはないはず。
 実はこのコンニャク・アートは、ベンゲット州カパンガン在住の日本人紙漉き作家・志村朝夫さんが、手漉き紙を強くし、防水性を持たせ、染料を定着させるために編み出した手法です。もちろん化学薬品などを使えば防水処理なんて簡単なのでしょうが、あくまでも自然素材にこだわる志村さん。あのプリプリのコンニャクを使うことを思いつき、試作を繰り返し、手漉き紙の風合いそのままに、水に弱く破けやすいという紙の弱点を克服しました。
 
 実は志村さん、このコンニャク・アートのワークショップで南アフリカや韓国などにも招待される知る人ぞ知る国際的なアート職人です。昨年12月にイフガオ州フンドアンの棚で行った慰霊パフォーマンスにおけるSundaland Art Netの廣田緑のアート作品でも、志村さんの手漉き紙を使わせていただきました。
  詳細はこちら「アート・インスタレーション&パフォーマンス 森のささやき・精霊の舞」

 今回のミニ展覧会は、9ケ国の28名のアーティストによるコンニャク・アートを使った小品を集めた世界初の試み。11月5日オープニングで1月5日までの開催。ぜひ、足を延ばしてみてください。


会場のベンカブ美術館の情報はこちら。
http://bencabmuseum.org/


参加作家のリストは以下。
 
1. Fara Manuel (Philippines, graduate student at UP Diliman)
2. Joanne Kaar* (UK, IAPMA Secretary)
3. Dumisani Dlamini (South Africa)
4. Prue Dobinson* (UK, IAPMA member at large)
5. Wataru Sakuma 佐久間渉 (Japanese, living in the Philippines)
6. Anne Vilsboll* (Denmark, IAPAM President 1996-1999)
7. Aimee Lee (USA, Fulbright fellow on Hanji, Korean handmade paper, 2008-2009)
8. Josephine Tabbert* (Germany)
9. Aliza Thomas* (Netherlands)
10. Kim, Kyung Sook* (Korea, Yedang Gallery owner)
11. Joey Cobcobo (Philippines)
12. Mandy Coppes* (South Africa)
13. Thami (South Africa)
14. Ben Cab (Philippines)
15. Priscilla Robinson* (USA)
16. Cho Jeong-sook* (Korea)
17. Kim Ki-Hoon (Korea)
18. Helen Hiebert* (USA, IAPMA vice president)
19. Ruth Cohn* (Israel)
20. Leonardo Aguinaldo (Philippines)
21. Kawayan de Guia (Philippines)
22. Susan Byrd (USA, shifu researcher)
23. Asao Shimura* 志村朝夫 (Japanese, living in the Philippines since 1989)
24. Gail Stiffe* (Australia, IAPMA president)
25. Barbara Boertzel (USA)
26. Vincent Navarro (Philippines)
27. Sipho (South Africa)
28. Nathi (South Africa)


*は、国際的な手漉き紙の協会 International Association of Hand Papermakers and Paper Artists (IAPMA)のメンバーの方たちです。

山本公成さんのCD「月ゆめIIあしたへ」リリース!


 おととしのカリンガ州でのエコサミットに続き、昨年12月のSundaland Art Net主催のイフガオ州ハパオでの慰霊アート&パフォーマンス・イベントに参加くださった山本公成さんが、コーディリエラ地方での体験にインスピレーションを得て生まれた曲「森の精」を含むCDをリリースしました。カリンガのやイフガオの棚田がどんなふうに音に生まれ変わったかとても楽しみです。

以下、山本公成さんからのご案内です。

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「月ゆめⅡ あしたへ」が10月21日リリースされます。
私は彼方此方、旅をするなかで平和を大切にする人々の魂や、生き方に
出会い感動し音楽が生まれてくるのを体感しています。
私はもともと、音を出すのが好き、特に吹くのが好きです。
唇を笛にあてた瞬間に風景がひろがります、息を吹き込んだ時に返って
くる空気に生活を感じ感動します。民族楽器は、人が暮らす日常のなか
にあります。川、海、山、森、平原、棚田、畑が風と共にひろがります。
ゆたかな自然の実りの中に生かされています。
フィリピンの世界遺産の棚田コーディリエラを訪れ深い森とみごとな棚
田、そこでは電気は夕方の5時から夜9時までしかつきませんが、ゆっく
り循環する暮らしに豊かさを感じました。田んぼで出来た米を突き、籾
殻や糠は田んぼに飼っている魚のえさとなりその魚をおかずにいただく
伝統的な高床式の家の生活。すぐそばに精霊や、ライスゴッドとよばれ
る田の神様の気配をかんじるフィリピンの旅で「森の精」という曲がお
りてきました。また、演奏で旅を続ける中、北海道旭川でアイヌのカム
イコタンの御縁で蝦夷鹿の角で笛を作り演奏するという事が始まり、曲
が出会いのなかでおりてアルバムの録音をこつこつ続けていました。
8月に入って自分の中に大きな変化があり未来に向かう勇気をもちアル
バム作りを再開し、自分の演奏してきた作品のなかにみつけたことば。
今こそなににもめげず「あしたへ」 

http://www.pulsejet.jp/
http://www.yamamoto-kosei.com/index.html

●サウンドウェア・ブルームーン
http://www.sound-ware.com/

月ゆめII、詳細・試聴・注文ページ
http://www.sound-ware.com/shop.cgi?id=1075

山本公成作品一覧ページ
http://www.sound-ware.com/shop.cgi?class=1%2F0&keyword&superkey=1&FF=0



                  ↑イフガオでの公成さん。

「雲の上の大地」写真展、バギオで開催

 昨年12月にイフガオ州ハパオで行った「アート・インスタレーション&パフォーマンス◆森のささやき~精霊の舞」に写真家として参加してくれた直井保彦君。おととしのカリンガ州とイフガオ州訪問時の写真も合わせて、15点の「雲の上の大地」と題した写真展を日比友好月間2011の一つのイベントとして開催しました。

 コラボレーションはキドラット・タヒミックの長男、キドラット・デ・ギアが日本で撮影した写真15点。日本の写真家が見たコーディリエラ地方とフィリピンの写真が捉えた日本というコンセプトです。会場はバギオ博物館。にっぷ友好月間開幕式典には在フィリピン卜日本大使館の卜部大使夫妻をはじめ、多くのゲストの方が訪れました。
式典の模様は、北ルソン日本人会のブログで。



写真展は博物館での1ケ月の展示を終え、8月末にセッションロードのカフェGeckoに会場を移し1か月半開催。


その後、10月14日のイフガオ州国立大学(IFSU)の創立記念日のイベントにて展覧会が開催されました。


あれから1年近くがたっていますが、まだまだ関連イベントは継続中です。
 

山城さんのフィリピン滞在報告書「フィリピンに、行ってきました」

 あれよあれよという間に、前に投稿してから半年がたたってしまいました。アートが本業のSundaland Art Netメンバーのみなさまは、みなそれぞれのフィールドで活躍中。各々のブログやTwitter,facebookなどで、盛んに活動報告をしています。しかし、これでだけいろいろなツールができちゃうといったいどこから情報を得ていいのやら。アートが本業でない私はちょっとすべてを投げ出したくなったりもします。で、このブログも半年お留守。
 Sundaland Art Netはアートを通した国際交流が目的ですので、メンバー個々の活動はそれぞれの情報発信にお任せし、ここでは、国際交流関係の出来事を紹介していきますね。在比の私の場合は、フィリピン(バギオ)発の情報ですね。



 半年前の情報でお伝えしたバギオのAX(is)アートフェスに参加した山城知佳子さん、帰国後「フィリピンに、行ってきました!」という素敵な報告書を前島アートセンター発行で作ってくれました。私も拙文を寄稿。一つの旅もこんな風にきちんとまとめると、いいですね。ブログもTwitterもいいけど、やはり紙になったこんな報告書が届くとワクワクします。
 3月には、「フィリピンに行ってきました!」という成果報告展が前島アートセンター「おきなわ時間美術館」で行われたそうで、その写真も満載。知佳子さんのこちらでの体験がどんな風に沖縄の人に伝わったか想像できました。

以下、報告書の中身ページをちょっと紹介。




 
 ところで、今回、山城さんをフィリピンに派遣してくれた前島アートセンター。なんとこの山城さんの成果報告展を最後に解散となったそうです。Sundaland Art Netの廣田緑をはじめ、バギオを訪ねてくれた宮古島のかご作家小川京子さん、元海外青年協力隊の内田牧子さんなどからも前島アートセンターのお話を聞きましたし、2002年に私たちが主催した「環境絵画コンテスト」に審査員できてくれたSHIMABUKUが意気投合したキドラット・タヒミックを沖縄に招待してイベントを企画した時にお世話になったのも前島アートセンター。ニッポンにそのまま放置してきた我が家をアトリエ&棲み家にしてくている小沢剛君もお世話になったって言っていたし、もう一人の店子の安野太郎君は南浦和アートセンター(MAC)なるものをやっていて、そのMACつながりで前島アートセンターを訪ねたって言っていました。さらに、昨年には前島アートセンターでの「フィリピンナイト」に私もSKYPEで出演。これだけ縁があるからきっとそのうち訪問の機会も自然とやってくるだろうと思っていたら、知佳子さん来比を最後に解散! 結局訪問のチャンスは廻ってこなかった~~。

前島アートセンターンの設立は2001年というから私がやっている環境NGO「Cordillera Green Network(CGN)」と同じく今年10周年。やはり10年というのは一つの節目である気がします。前島アートセンターは、その役割を終えたとして解散するそうですが、私もこの10年で劇的に変わってきた世界を取り巻く環境問題とそれに対する社会の認識などを鑑み、いまいちど今までの活動を振り返って軌道修正をするべき時だと思っています。このSunsaland Art Netもそんな流れの中での新たな活動の一つでもあります。

11月5日、前島アートセンターの解散シンポジウムが開かれるそうです。行きたいなあ。

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解散シンポジウム「アートの遺伝子(DNA)」

前島アートセンター(MAC)は、沖縄県那覇市前島3丁目の旧高砂殿ビルを民間主導の新しい芸術・文化活動の拠点につくり変えようと、2001年4月より活動を始め、2002年3月には特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けました。以降、「wanakio」をはじめ、さまざまな展覧会、イベント、教育普及活動を行ってきました。2007年、同ビルの閉鎖に伴い、安里・栄町市場内へ拠点を移し「おきなわ時間美術館」を設立、あらたな可能性を模索し、活動を続けてきました。
しかし、活動開始から10周年を迎えた今年4月、法人の会員総会において運営上の理由から解散することが決議されました。
前島アートセンター最後の事業となる解散シンポジウム「アートの遺伝子(DNA)」では、資料展示や映像上映などで10年間の活動を振返ると同時に、沖縄のアートの未来について語り合います。ご来場いただいた方が、それぞれの視点で語ることにより「前島アートセンターとは何だったのか」を多角的に検証します。また、そこから生まれた種がどのように広がり発展しているのか、各分野で活動する方々のプレゼンテーションを通して、沖縄のアートシーンのこれからについて考えます。
このシンポジウムにはゲストやパネリストといったあらかじめ決められた「話者」は設定されていません。会場に足を運んでいただいたみなさんご自身がそれぞれの立場から自由にMACと沖縄のアートシーンついて語り合う場にしたいと考えております。みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

日  時: 2011年11月5日(土) 10:00~(ロビーにて資料展示・上映)
     シンポジウム 14:00~(※受付 13:00~)
会  場: アルテ赤田ギャラリーホール(那覇市首里赤田町3-26)
主  催: NPO法人前島アートセンター
入 場 料:無料
問合せ先: 080-3980-0909 / macinfo@maejimaac.net

山城知佳子、ビデオ上映&アーティスト・トークin バギオ

先日、このブログで告知した沖縄の映像アーティスト、山城知佳子さんが、バギオで映像作品の上映会とアーティスト・トークを開催した。 まずは、バギオ到着後まもなく、フィリピン大学バギオ校(UPバギオ)芸術学部の生徒さんを対象とした上映会とアーティスト・トーク。

上映作品は
・オキナワTOURIST-I love Okinawan Sweet
・あなたの声は私の喉を通った(2009)
・沈む声、紅い息(2010)の3本。



                ↑「あなたの声は私の喉を通った」(2009)

いずれも、コマージャリズムにのった観光化、第二次世界大戦の記憶の継承など、日本人でも特別に関心がなければ知る機会のない沖縄が抱える問題を扱っている。短い映像の中にたくさんのメッセージの込められた社会的な映像作品だ。日本に対する関心はアニメとJ-POPというフィリピンの大学生には、説明がないとわかりにくい作品だったかもしれないが、山城さん自身が作品についての解説を行い、学生たちの理解を促した。

在比日本人からは、映画監督の今泉光司さん、北ルソン日本人会(JANL)会長の小国秀宣さんも参加。大学生たちに、沖縄と日本本土の歴史的な違い、そこから来る沖縄人独特のアイデンティティなどについて補足説明をし、学生たちにとっては、大学内で学ぶ芸術とは違う、社会に対する強烈なメッセージ性を持つアート、また、バギオのような田舎町ではなかなか触れることのないビデオ・インスタレーション作品に触れる貴重な機会となった。

山城さんは、その後、バギオ市内にある日本食レストラン「CHAYA」で在バギオの日本人向けの上映会、AXISアート・フェスティバルのテントにて、アーティストを中心とする一般向けの上映&&アーティスト・トークを行った。



  山城さんは、即興的に作品を作るタイプではなく、また、じっくり頭で考えて設計して作品を作るタイプでもなく、インプットがあった後、その情報を寝かせておいて、ずいぶん時間がたってから突然からだの中から湧き出るように作品が生まれてくることが多いのだそう。今回のフィリピンでの体験は、いつどんな形で作品の中に反映するのか、とても楽しみである。



          ↑AXISアートフェスに参加したRommel Pidazoのお宅を訪問。 
           作品も購入。

山城知佳子さんのフィリピン体験記は、彼女のブログでも。
プカリー水辺の物語

バギオ市のアートフェスに、沖縄のアーティスト・山城知佳子さんが参加

 在フィリピン・バギオ市のSundaland Art Netの反町がコーディネイトし、沖縄の若手コンテンポラリー・アーティスト山城知佳子さんが、2月20-27日行われるAXIS ART FESTIVALで作品上映とアーティストトークを行ってくれることになりました。


 AXIS ART FESTIVALでのスケジュールや会場は、山城さんがバギオに来られたのちに決定しますが、まずは、第一弾でフィリピン大学バギオ校芸術学部での作品上映とアーティストークを行います。外部の方の参加も「歓迎!」ということですので、在フィリピンの日本人の皆様のご来場をお待ちしております。



山城知佳子アーティスト・トーク
Date:Feb 17, 2011(Thursday) 4pm-5:30pm
Venue:Fine Arts Classroom 103-4,College of Arts and Communicatuion Building, UP Baguio.
問い合わせ:Mariko Sorimachi 0928-521-8124

[山城知佳子さんのプロフィール]

現代美術家、映像作家、映像集団ハイニシムイ代表

1976年 沖縄県生まれ

2005年 第1回倉敷現代アートビエンナーレ・西日本 優秀賞受賞

■個展

2010-2011年 コロスの唄 (Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku,東京)

2008年 バーチャル継承 (ギャラリーラファイエット, 沖縄)

2007年 Garden Talk (KANDADA, 東京)

2005年 Anyway… (ギャラリーラファイエット, 沖縄)

2004年 オキナワTOURIST (前島アートセンター, 沖縄)

2002年 墓庭の女 (前島アートセンター, 沖縄)


・グループ展

2010-2011年 

ニュースナップショット 日本の新進作家展 Vol.9 〔かがやきの瞬間〕 (東京都写真美術館,東京)

2010年 

恵比寿映像祭「~歌をさがして~」 (東京都写真美術館, 東京)

貴方を愛するときと憎むとき (沖縄県立博物館・美術館)

2009年 

阪田清子・山城知佳子展ー枠の外/状況の中へ (沖縄県立芸術大学付属芸術資料館)

ヒロシマアートドキュメント2009 (被服工場跡地, 広島)

アトミック・サンシャイン in 佐喜眞 (佐喜眞美術館, 沖縄)

アトミック・サンシャイン in 沖縄 (沖縄県立博物館・美術館)

2008年 

沖縄・プリズム1872-2008 (東京国立近代美術館, 東京)

ヒロシマアートドキュメント2008 (旧日本銀行広島支店, 広島)

To-Lo 東京-ロンドン アート エクスチェンジ(The Stephen Lawrence Gallery/イギリス)

2007年 

沖縄県立美術館開館記念展『沖縄文化の軌跡 1872-2007』 (沖縄県立博物館・美術館)

写真0年 (パレット市民ギャラリー, 沖縄)VOCA展2007 (上野の森美術館, 東京)

2005年 

オキナワ・記憶の道展 (日仏学院, 東京)

第43回岡山芸術祭岡山映画祭2005『えいがのきおく』 (岡山オリエンタル美術館, 岡山)

ブラジル国際フォーラム BORDER (ポーテ・アレグロ現代美術館/ブラジル)

第1回倉敷現代アートビエンナーレ・西日本 (加計美術館, 岡山)

2004年 

アサヒ・アートフェスティバル参加企画-沖縄カフェ (「かなさん」Rice+, 東京)

2003年 

PEACE NEWS (前島アートセンター, 沖縄)

2002年 

墓庭フェスティバル (WANAKIO2002, 沖縄)

山城知佳子ウェブサイト:http://blog.goo.ne.jp/sorashi_a-sa

KURIの幸せの白い鳥プロジェクトinイフガオ




2010年12月、スンダランド・アートネットが企画したの世界遺産の棚田でのコミュニティ・アート・プロジェクトでのスタジオKURIによる「幸せの白い鳥プロジェクト」のご報告。

「幸せの白い鳥プロジェクト」では、KURIのMIHOのおとうさん、通称イギオヤジ(先日88歳になられたそう。おめでとうございます!)が、欲もなく淡々と廃品から作り続けている小さな白い鳥を展示した。
突然の参加だったにもかかわらず、 素敵な展示場所がパフォーマンスの舞台のお隣の棚田に見つかり、でっかい袋を開けたとたんに「なんだなんだ」と子供たちが集まって頼みもしないのに、飾り付けをしてくれ、子供が大好きな尺八奏者の福本卓道さんが「ポッポッポーはとポッポー」と棚田に響く大きな声で歌を歌い出して子供たちがそれに習い、解説は「これに書いたら?」と、たった1枚残っていた稲わら手漉き紙を志村朝夫さんが提供してくださり、最後は参加したアーティストの人たちも平和への想いを込めて白い鳥を下げてくれ、みんなが参加した素敵なコミュニティ・アートとなった。

本当に、イフガオの棚田の空を1000羽の白い鳥が埋め尽くしたようで、まさにイベントのテーマ「原始の森にイーグルが戻ってくる日」が瞬時に実現したかのようだった。偶然の生み出す不思議を実感。KURIは会場を提供してくれたバアアン村の小学校の生徒&先生と少し余分の数の白い鳥を寄付。きっと子供たちの家の軒先で、今日も白い鳥は平和への想いを込めて、小さな羽で羽ばたいていてくれているだろう。

幸せの白い鳥プロジェクトの詳細は、Cordillera Green Networkのブログで。

KURIとイギオヤジ情報は、KURIのブログでチェック!

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KURIの二人が、地元・山梨でフィリピンでの体験と韓国の旅についての報告会を開催する。パヤタスのゴミの山に暮らす人々とのためのクリスマスパーティでのコンサートから、世界遺産の棚田での慰霊パフォーマンスでの即興演奏まで、多彩な体験をアーティストならではの感性で語る。直前に訪問した韓国での旅も含め、型破りのアジアとのアートを通した交流体験。お聞き逃しのないように!
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「KURI アジアの兄弟を訪ねて」~韓国、フィリピン編~スライドショー
日時:2011年3月3日(木)夜7時半~
場所:山梨県北杜市明野 カフェくじらぐも    
0551-25-4063   
http://ameblo.jp/yasurinpime/"


KURIが2010年12月のフィリピン体験の報告会を行います


2010年12月のスンダランド・アートネット企画のフィリピンでの環境と慰霊のためのイベントに参加したKURIの二人が、地元・山梨で報告会を開催します。パヤタスのゴミの山に暮らす人々とのためのクリスマスパーティでのコンサートから、世界遺産の棚田での慰霊パフォーマンスでの即興演奏まで、多彩な体験をアーティストならではの感性で語ってくれます。直前に訪問した韓国での旅も含め、型破りのアジアとのアートを通した交流体験。お聞き逃しのないように!


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「KURI アジアの兄弟を訪ねて」~韓国、フィリピン編~スライドショー

日時:2011年3月3日(木)夜7時半~

場所:山梨県北杜市明野 カフェくじらぐも

    0551-25-4063


企画:オトタネプロジェクト

2010年に訪れた韓国とフィリピンでの音楽やアートでの交流を通して出会った人々や環境、子供達、、それぞれの暮らしなどを語ります。

アート・インスタレーション&パフォーマンス◆森のささやき~精霊の舞

 2010年12月のイフガオ州フンドアンでのイベントでは、環境演劇の上演と環境教育アートワークショップと抱き合わせで、第二次大戦で犠牲となった日比の人々に対する慰霊と鎮魂、そして平和への祈りをテーマとしたアート・インスタレーション&パフォーマンスを開催(スンダランド・アートネット主催/国際交流基金/あいちモリコロ基金助成)。
 イフガオ州は、第二次世界大戦で日本軍が撤退し、最後に山下奉文(ともゆき)大将が捕らえられた地。大戦末期の飢餓状態、武器も弾薬もなかった日本軍兵士の多くが命を落とした地であるとともに、極限状態の中でイフガオ族のコミュニティでの略奪・殺戮などの残虐な行為もあったと記録されている。
 戦後も日本の遺族が慰霊に訪れ、遺骨収集は現在でも行われている。この遺骨収集に関しては昨年大きな問題が明らかになり、フィリピン国内や日本でも報道されたのが記憶に新しい。スンダランド・アート・ネットのメンバーである私(反町眞理子)も、在比日本人として、日比両国の第二次大戦の傷跡を癒す手伝いになればと、縁があれば在比の知識や人脈を利用し、遺族や元兵士の方の慰霊の旅のアテンドをしてきた。今回の遺骨収集をめぐる問題は、遺骨収集作業の基本にあるべき亡くなった方に対する慰霊の気持ちがないがしろにされた悲しい出来事だと思える。遺族の方や元兵士の方の中にも、抑えきれない怒りを表している方がいらっしゃるが、何よりも迷惑なのは、意図せずして暮らしの場を戦場とされ、今また勝手な日本人の遺骨収集問題に巻き添えになっているイフガオの人々、そして、この地で無念の中で亡くなった日本兵の精霊たちではないだろうか。   65年もの月日が経ち、ようやく少しずつ癒えてきた傷を再びえぐられるようなこの出来事。日本と違い戦争の記憶がいまだ生々しいこの地で暮らしながら、日比の新しい関係のために出来ることはないかと、環境や平和のためにさまざまな活動をしてきた私には、残念でならなかった。


 このたびの「アート・インスタレーション&パフォーマンス・プロジェクト」は、日本人、フィリピン人を問わず、戦争の犠牲となったすべての人のための鎮魂と慰霊、そして日比間、さらに世界の平和のための思いを、言葉ではなく、国境を越えて共有できるアートを通して表現したいという気持ちからだった。
 2007年にバギオ市とベンゲット州キブガンで行った環境アート・プロジェクト「Where have all the monkeys gone?」にも参加した造形美術家・廣田緑(スンダランド・アート・ネット代表)は、太平洋戦争の記憶をテーマとしたアート・プロジェクトを長年暮らしたインドネシアの他、フィリピンや日本で行っている。アジアと日本で多くの第二次世界大戦の記憶と出会い、アート作品としてきた彼女は今回の企画の意味と意図を深く理解し、「スンダランド・アートネット」の事業一部として今回の参加が決まった。

 またスンダランドのメンバーである大阪のAmanTO天然芸術研究所のJun Amanto氏も参加を決めた。
 2009年1月のコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)主催のエコサミットへのゲスト参加と9月のバギオ市制100周年にバギオで催された「日比平和演劇祭」の「亡霊の彷徨う町」で日本兵の亡霊役を演じて以来、たびたびフィリピンでワークショップや公演を行っている。彼の呼びかけでシタール奏者の南沢靖浩氏、尺八の福本卓道氏、サックスと笛の山本公成氏も参加。 同じくスンダランドのメンバー、山梨の音楽ユニット「KURI」もモリコロ基金助成を受け、参加となった。



 棚田の真ん中にあるイフガオ族の宿泊先、伝統家屋のあるロッジでの缶詰合宿のような3日間。初めて顔を合わせた人も多かった超個性的な日本からの参加者だったが、いつの間にか心はひとつになっていた。本番の棚田でのステージでは、息のあった素晴らしい演奏とパフォーマンスをこの地の霊に捧げることができた。
 感性のするどい参加アーティストの方たちは、3日間という短い滞在でも「この地では戦争は終わっていない」ことを、実感して下さっただろう。大戦によって汚されてしまった大地の記憶は、65年たったいまもまだ癒されきってはいない。戦争が人の心や自然や大地に遺す傷はとてつもなく深く、どんなに長い年月を経ても癒されることはないのかもしれない。イフガオの人々にとって、あの戦争は日本とアメリカの戦争であるのに、先住民族が深く愛してきた土地を戦場として使われ、その恨みは無意識のうちに引き継がれ、世代を超えても消えはしないものなのだろう。
 我々が企画した慰霊と平和のためのアート・プロジェクトは、ほんのほんの小さな償いの行いであり、これに参加したイフガオの人々の心や土地に大きな変化が起こるなどと大きなことは思っていない。内容を理解していない人がほとんどであろう。しかし美しい棚田と自然の中で暮らしてきた人々には、あの灯されたキャンドルの静かな美しさと、そのほのかな灯りで照らされた作品に込められた祈り、ミュージシャンの即興演奏に伴われた舞い、そして平和の願いが、きっと心の深いところに届いたと信じている。
 連日の雨続きで天候の心配をしていたのだが、開催日12月18日はわずかな雨も降らず、パフォーマンスの間、雲の合間から満月がのぞいたこと、突然の停電によって生の音楽がマイクを通さず静かに深く大地にしみこんでいく時間を得たことで、神には歓迎されたイベントだったのではないかとひそかに思っている。
 今、昨年のイベントを振り返り、参加の方たちに対する深い感謝とともに 癒されきれない大地のために 「だから二度と戦争をしてはいけない。二度と過ちを繰り返してはいけない」 という想いを新たにしている。
(スンダランド・アート・ネット副代表:反町眞理子/フィリピン在住)

イフガオ州フンドアンでの環境教育プログラム◆環境アートワークショップ


 2010年12月、キープ協会の「フィリピン北部山岳地域における青少年育成のための環境教育推進事業」(独立行政法人 環境保全機構 地球環境基金助成)の一環として、環境演劇公演と環境教育アートワークショップを、イフガオ州の世界遺産の棚田の村、ハパオ村とバアン村で開催した(協力:スンダランド・アートネット/AmanTO天然芸術研究所)。

 イフガオ州のバナウエ、キアガン、マヨヤオ、フンドアンの4つの郡は、ユネスコにより世界文化遺産に指定されている。しかし森林破壊や棚田での働き手の不足から、耕作を放棄された棚田が増え、2001年には世界危機遺産に指定されてしまう。イフガオ州の棚田の保全には過去、日本(ユネスコ)が棚田と伝統文化保全のための活動をサポートしてきた他、JICA-NGOの技術協力プロジェクトで森林保全やライブリフッド事業などが行われてきた。
 コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)も、「東芝150万本の森作り」のサポートを受け、2007~2009年にマヨヤオ郡バランバン村とフンドアン郡ハパオ村で、アグロフォレストリーと植林事業を行っている。

 世界遺産にもなった棚田の崩壊原因のひとつが森林破壊だ。
 イフガオ民族は生まれながら芸術センスを持ち合わせているといわれ、伝統木彫りの技術は他に類を見ない。それゆえ、海外からの大型の木彫り像の注文などなどがあとを絶たず、古来の暮らしでは生活用品にのみ使っていた木彫りが、輸出用の置物や家具、棚田観光のお土産品などとして大量に作られるようになった。それに伴い材料の木材が、イフガオ州の森林から次々と切り出され、森林は見るも無残な状況となっている。  もともと、イフガオ族は「世界8不思議」の一つに数えられる、急峻な山肌に作られた膨大な数の棚田に水をいきわたらせるために、棚田の上のほうにある森林には手を入れず、水源地として先祖代々たいせつに守ってきた(そういった森林保全の伝統の方法は「ムヨン」または「ピヌグ」と呼ばれる)。近年ではその風習さえも失われつつあり、昨年のエル・ニーニョによる水不足では、たくさんの棚田の水が枯れ、稲が育たないというかつてない事態まで発生した。



 そのような背景をふまえ、フンドアン郡ハパオ村での環境教育ワークショップのテーマは「稲わら」とした。
 世界遺産の棚田で収穫さる稲わらで紙を漉き、ランタンやポストカードを製作する指導です。安価な土産物を作るため何百年もかけて育った木を切るかわりに、今まで不要とされていた自然素材から新しい工芸品の可能性を紹介しようというもの。ワークショップ参加者は、ハパオ村とその隣バアン村の小学生たち。手漉き紙作りの講師はベンゲット州カパンガン郡ポキン村在住の日本人紙漉き職人・志村朝夫氏。「ウドン」と呼ばれる稲わらの穂に近い部分が手漉き紙の材料としてたいへん優秀であると志村氏は以前から試作を続け、ホワとよばれる潅木の樹皮との混合や、コンニャクによる加工で強度や防水性を増す方法を生み出した。
 子供たちが漉いた紙は乾燥させて、水田に浮かべるランタンとクリスマス・カードの素材に使用された。ランタン作りと凧作りの指導には大阪のAmanTo 天然芸術研究所から参加の西尾純氏。





 最後には参加の子供たちみんなで、いつか村と森に鳥やワシが戻ってくる日を夢見て凧揚げ。
 元気に凧を上げて飛び回る子供たちの明るい声が、棚田に響き渡る素晴らしい時間となった。